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Author:natasho
国民健康保険 名田庄診療所
中村伸一


施設名称 :
国民健康保険名田庄診療所
開設年月 : 1955年7月
所在地 :
福井県大飯郡おおい町名田庄下6-1
管理者 : 所長 中村伸一
診療科目 :
内科、胃腸科、消化器科、アレルギー科、小児科、外科、整形外科、皮膚科
併設施設 :
「あっとほ~むいきいき館」内に、診療所のほか、歯科診療所、訪問・通所介護事業所、国保総合保健施設、住民のための多目的室、町役場の支所などを併設。



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 医者になってたかだか3年目で、たった一人しか医者がいない名田庄村の診療所所長になった私。懸命にもがきながら、村の人たちと向き合う毎日。
 耳はいいけどボケたじい様と、耳は遠いけどしっかり者のばあ様が、微妙なバランスでギリギリ生活している老夫婦。脳卒中で緊急入院したものの、寝たきり状態のまま退院し、その後は、家族が病院に薬を取りに行っていたケース。長年寝たきりで、家族の力では風呂に入れることができず、なんと三年間入浴していなかった方。
 あーー、医療の限界! このような問題の解決方法は医学の教科書に載っていません。「どうやら診療所の医者と看護師だけでは、こんな方たちを支えきれないなー」と実感していたころ、どこからか風が吹いてきました。

<行政と福祉のベテランにはめられた!?>
 平成3年10月のある日のこと。当時の村役場の住民福祉課長が、社会福祉協議会(以下、社協)事務局長といっしょに診療所にやってきました。その理由は、なんとも妙な相談でした。
 住民福祉課長が、競艇の補助金で福祉バスをゲットできたというのです。その福祉バスは13人乗りで、車椅子やストレッチャーでもリフトで上げて乗れるようになる、非常に優れた福祉用の車両でした。
 それにしても変ですよね。まず、必要性を考えてから、物を購入するのがスジです。でもこのような補助制度での福祉バスは、早く手を挙げないとよそに取られてしまので、とりあえずゲットしたというのが実情です。
住民福祉課長「いやー、中村先生。忙しいのに申しわけない。じつは、福祉バスっちゅーのをこのたび買いまして、なんかえー利用方法はないもんですかいのー?」
私(中村)「これを機会に、福祉バスの有効利用だけじゃなくて、お年寄りを支えるしくみづくりをみんなで話し合いましょうよ」
社協事務局長「えーですなー。それでは、中村先生を会長にして、みんなで話合う機会をつくりましょうよ」
私(中村)「なんですとー!?」
 定年間近の住民福祉課長は行政のベテランで、社協事務局長は福祉畑のベテラン。たかだか医者3年目でよそ者の私など、人生経験では足元にもおよびません。その私を会長にして、村の保健・医療・福祉の関係者をみんな集めて話し合おうと言うのです。私は「そんな機会があればいいな」と思っただけで、自分が中心になろうとは思ってもみませんでした。
 今考えると、この古狸たち(と言っては失礼か?)にはめられたような気がします。
 そうです。このような多職種の集まりで、いちばん煙たがられるのが医者なのです。そんな医者でも、自分が中心ならば、わがままも言えないし、まとめなきゃいけないから医者自身が周囲に気を遣わなければならない。うまく、やられちゃいました。

<まずは会の名前を決めましょう>
 数日後、診療所からは医師(私)・看護師・事務員が、役場住民福祉課からは課長・保健師・福祉担当者・保健担当事務職らが、社協からは事務局長・保健師・ヘルパー・事務職員が集まりました。
 どうやって切り出したらいいのか、私は考えあぐねていました。
 別々の部署から集まってきて、「さぁ、話し合いなさい」と言ってもそうそう意見は出てこないのがあたり前。意見を言う人は言うけど、気が小さい人は発言しない。いったいどうしたらいいのか?
 そこで最初に、同じ部署の人が重ならないように4人ずつのグループに分けました。各グループで話し合ってもらったのが、会の名称についてでした。
私(中村)「みなさん、せっかく集まったんだから、これからみんなで村のために何ができるか話し合いましょう。まず、会の名前を決めちゃいましょう。この会をどんな会にしたいのか、それを踏まえて各グループでキーワードを出してください」
 この一言で、いっせいにグループでの話し合いがはじまった。4人程度の小グループだと、全員が参加しての話し合いになるので、だれも人ごとのような顔はしていません。
「これからは高齢化が進むし、福祉の時代だろう!」
「あんまりしょぼくれた暗いことばは嫌やな。元気か健康はどうや」
「この村で最期、死ぬときにいい人生やったと思えたらええな」
「いきなり大きなことはできんけど、とりあえず知恵を出し合って考えようや」
 いろいろな意見が飛び交い、なかなか収拾がつかないくらい話し合いは熱を帯びてきました。最終的にこの会の名前は「健康と福祉を考える会」となりました。家で最期を迎えられる村づくりの第一歩でした。

<お年寄りと元気な人たちのふれあいを乗せて>
 ところで、福祉バスの件はどうなったか? 
 実は、この話し合いのなかで、福祉バスをきっかけに「せっかくいいバスがあるんだから、寝たきりのお年寄りをお風呂に入れる『デイサービス』を始めよう」という結論になったのです。バス(Bus) 買っちゃったから、バス(Bath) に入れよう!ってな具合ですね。
 そうなんです。順序が逆なんですよ。ふつうは、デイサービスをやるからバスを買うんですよね。でも、うちの村の場合、バスを買ったからデイサービスを始めることになったのです。「できちゃった結婚」ならぬ、まさに「買っちゃたデイサービス」が私たちの出発点でした。
 さて、バスの名前も決めなければなりません。自分たちで考えるよりは、村の皆さんにアピールする目的もあり、公募で決めることになりました。
 その結果、ついた名前は「ふれあい号」。このバスを通じて、住民とスタッフが、寝たきりのお年寄りと元気な人たちが、みんながふれあうようにという思いが込められています。
 私個人としては、デイサービスを利用するお年寄りを迎えにいくバスだから、その機能通りに「お迎え号」というシンプルな名前を考えていました。しかし、他のメンバーからは「お年寄りに対して、『お迎え』は失礼ですよ。霊柩車じゃないんだから」と、ごもっともな理由で却下されてしまいました。トホホ……。
 さてさて、デイサービスの開始ですが、そう簡単にはいきません。なにせ、だれも経験者はいないし、「お風呂に入れている最中にもしものことがあったら、だれが責任を取るんだ」という意見も出ました。
 そこのところをどう乗り越えたか? それは次号で。

コメント

ブログ訪問のお礼と先生の記事を載せたお詫び

先生
はじめまして
燃料満タンのやる気は大丈夫でしょうか?ガス欠にならぬよう、たまには、燃料補充してくださいね。
お忙しいのに、私のブログへの訪問有難うございます
先生の記事を載せていますので、お知らせ方々ご承認を頂けたらと・・事後ですみません
お忙しいでしょうから、下記に記載します
【クメール】
[プロの医師、中村伸一Dr]⇒ 医者シリーズ-3
 地域医療一筋の熱血医師、名田庄診療所 中村伸一所長
 治療するには、病ではなく人を診る。
患者との日常の中で何気ない会話をしながら患者の反応を診る。
問題が起きた時は、スタッフを慌てさせない様に淡々と指示をだす。
思わぬ局面に出会ったら、運命を一旦受け止める。その上で、前向きに行動する。
末期ガン患者が、臨終の時、「いい人生やった。最後まで家にいられて幸せだった。(在宅看護) お前も中村先生に看取られて死ねよ」と妻に言い残して亡くなっていった。
最後に我が家で看取られたいと願う患者達。
先生頼りにしています。先生いい人生でした。ありがとう。
患者の最期の言葉は先生の心に響いたのか、中村Drのこだわりの一つが在宅で最期を看取ってあげること
生を全うする最期迄、病気と患者に真摯に向き合う
「逃げられない困難な状況にあっても、それを宿命として受け入れる。それを、プラス思考で楽しんでいく。それが、プロフェッショナル」

医者と患者は「お互いさまの気持ちで」人と人として繋がる。
まさに『仁』の心。
そこにあるのは「人としての優しさ」

人と人として繋がり、治療を通じて患者と共に歩み、苦労を厭(イト)わず、困難を乗り越えていく。

限られたコミュニティにおいて、予防→診断→治療→リハビリ→看取り迄、幅広く診療する
人々のライフサイクル全てに関わり、あらゆる場面で全力投球する
第一線の地域包括ケア医としての醍醐味
中村Drのメッセージは、真の総合医(地域包括ケア医)を養成(現場でのOJT教育)する事こそ地方の医師不足解決の近道ではないか、と提言されている
地域医療の苦難や障害にも負けず、そこから新たな課題を見出だし提言していく。
地域医療の一人の活躍が全国に発信され、地域医療のあり方や体制迄変えることが出来れば、それこそ中村Drの本望なのかも
仕事の成果が、人(患者=顧客)に感謝され、本人にも喜びとなれば、人生これに優るものはないと思うが如何?
[情報]
◆NHK「プロフェッショナル仕事の流儀」
◆国民健康保険 名田庄診療所 中村伸一所長ご本人のブログです
ご参考にどうぞ
http://natasho.blog105.fc2.com/
2009/03/24(火)

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